きみに、好きと言える日まで。
低くて冷たい声に。
ゆっくりその手を下ろした。
耀くん……?
まるで別人みたいな声だった。
いつもと違う耀くんに戸惑いが隠せない。
どうしたらいいのかわからなくて。
あたしは、ただそこに立ち尽くすだけ。
耀くんは枕に体を預けたまま、生気を失ったような目でぼんやり窓の外を眺めている。
沈黙に包まれる病室。
クーラーから直に注がれる風が、あたしの髪を靡かせた。
瞬きも。
顔にかかる髪を払うのも。
全て忘れて、ただ茫然とそんな耀くんを見つめる。
ふたりの間を取り巻く、怖いくらいの沈黙。
耀くんといて、感じたことのない空気。
そんな中
閉ざされていた口が再び開いた。
信じられない言葉で。