きみに、好きと言える日まで。

フラフラっとした足取りで廊下へ出て。


しばらく歩いて目についたベンチへ座った。



別人みたいだった。


まったく"生"を伴っていない瞳。


あたしの知ってる耀くんじゃなかった。




あたし、何か耀くんの気に障るようなことした?



3日前にお見舞いに来た時のことを思い出す。


『またな、まひ』


そう言って、ロビーで手を振って見送ってくれたよね?



どうして。


どうして。



どうして。





───ダンッ




放心状態で壁に背をつけた。




「あれ……キミは……」


聞き覚えのある声に顔を上げると、


「やっぱりまひろさんだ」

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