きみに、好きと言える日まで。



「……おじさん……」



耀くんのお父さんが立っていた。


会うのは事故の日以来。



「耀太の見舞いに来てくれたのかな?」

「……はい」



耀くんとどこか雰囲気の似た優しい顔に、知らず知らずの内に涙が溢れてきた。



「まひろさん?」



突然の涙に驚いたのか、おじさんはあたしの隣に座って肩に手をかけた。




おじさんは、なにか知っているのかな。

耀くんが、あんな風になっちゃった理由……。



ただ、虫の居所が悪いとか、そんなんじゃない。


耀くんは、気分で人にあたるようなことはしないから。


何かがあったとしか思えないよ。



「あの……」



思いきって口を開いた。



「うん?」

「耀くんが……」

「耀太が……?」

「…………」

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