きみに、好きと言える日まで。
「今はこういうものを見れるほど、耀太は余裕がなくてね……」
「えっ……」
「まひろさんにそんなことを言ったのも、冷静でいられなかったからだと思うんだ……」
冷静じゃ、いられない……?
ため息を交えながら、力なくそう言ったおじさんを食い入るように見つめる。
合わせた手をおでこにあて、苦しそうな表情を浮かべてる。
事故直後に会ったおじさんとはまた少し違う、痛みを伴ったような顔。
「あのっ……」
たまらず声を掛けた。
「耀太は今、相当ショック状態にあってね…」
「…………」
「だから、耀太が今言っていることはあまり気にしないで欲しい」
おじさんが、あたしの目をじっと見る。
……ショック……って。
冷静じゃいられない……って。
さっきから紡がれるおじさんの言葉は、あたしには全く意味が分からなかった。