きみに、好きと言える日まで。


ああ……。

良かった。



……グレーな妄想が一気に晴れて、鼓動が大人しくなる。



耀くんからハイジャンが奪われる。


それは、一番辛くて苦しいことだと思うから。



一番恐れてたことが回避されて、あたしはホッとする。


軽く息を吐いておじさんを見ると。




……おじさん?


その表情は晴れていなかった。



じゃあ……なにが……。


なにがショックなの……?




「まひろさんには、知っておいてもらった方がいいかもしれないな……」



決意したようなおじさんの目と言葉に。




───ドクン。


またひとつ、大きな鼓動が鳴った。





ハイジャン以外で、耀くんがこんなになること……。


それは……?




息をのんで待つあたしに。



おじさんは、言った。







「耀太はね。

……あの事故の加害者なんだよ」



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