きみに、好きと言える日まで。
*第5章*
耀くんのいない新学期
残りの夏休み、あたしは毎日どういうふうに過ごしたか、よく覚えていない。
部活にも顔を出さないで、家の中に閉じこもっていた。
ご飯もあんまり喉を通らなかった。
様子を見に来た凛ちゃんにはすごく心配されたけど、夏風邪と言って誤魔化した。
すべて、暑さのせいにした。
長かった夏休みが終わる……。
耀くんのいない新学期が始まった。
すぐに席替えもあって、あたしと耀くんは随分遠くに離れてしまった。
主のいない机をボーっと見ながら、今日も考えることはただひとつ。
耀くんに会いたい……。
でも会いに行く勇気もなかった。
耀くん、どうしてるんだろう。
大丈夫かな。
……大丈夫なわけ、ないか……。