きみに、好きと言える日まで。
「……聞いてる?」
肩を揺さぶられて意識を取り戻した。
目の前では、凛ちゃんが手を振っていた。
今回、凛ちゃんとは席が前後になった。
「ごめん、聞いてなかった」
正直に言うと、もう一度説明してくれた。
「今日ウチのクラスに転校生がくるんだって!瞬が聞きつけて来たの」
「転校生?」
首を傾げる。
新学期が始まって2週間も過ぎたのに……今更?
「すっごい美女だって大騒ぎ。これだから男子ってイヤだよね!」
凛ちゃんは鼻に皺を寄せて、瞬くんの方を見た。
瞬くんは教室の真ん中で、転校生の噂をしているのか男子を従えて一生懸命語っている。
聞いている男子もかなり興奮気味。
「ふぅん……」
そんなのどうでもよくて
あたしは特に気にも留めなかった。