きみに、好きと言える日まで。
見てはいけないもの
パコーン……
パコーン……
コート内にサーブの音が響き渡る。
いつものように部活に出ていると、
「まひろ~ッ!!!」
凛ちゃんがものすごい勢いでコートの扉をあけた。
「どうしたの?凛ちゃん」
すごい興奮してハァハァ息を切らしてる。
「耀太がっ!」
「───っ」
「明日から学校来るんだって!!」
「…………」
「良かったね、まひろ!」
嬉しそうに告げる凛ちゃんに、あたしはなんて言っていいのか分からない。
「……そうなんだ」
「ん?どした?」
もっと喜ぶと思っていたのか。
不思議そうに顔を覗きこまれる。
耀くん……来るんだ。
会いたくてたまらないのに、正直心の中は複雑だった。
明日耀くんに会って、あたしはどんな顔を見せればいい?
この日が来るのをずっと待っていたけど。
いざとなるとどうしようもなく落ち付かなくなった。