きみに、好きと言える日まで。
「どしたー?」
間延びした拓弥くんの声が聞こえる。
「耀くんが……あの日、学校へ寄ろうとした理由って……」
『ちょっと忘れモンして』
声が震える。
「あの日って、事故の日?」
「………うん」
「あー……なんか、大事なもん部室に忘れたとか言ってたっけ……」
「…………」
「シューズもユニフォームも忘れるわけねーし、結局何を忘れたのか教えてくんなかったけど……」
……大事な……?
もしかして……。
───ガシャン……!
「羽鳥ッ!?」
あたしは床へ崩れおちた。
「どうした!?」
拓弥くんはあたしの元へ駆け寄ってくる。
「あたし……あたしっ……」
体中の震えが止まらなかった。
耀くんの忘れものって……。
わざわざ取りに行こうとしたものって……。
まさか。
嘘。
……だけど。
もしかしたら、あたし
取り返しのつかないことをしちゃったのかもしれないっ……。