きみに、好きと言える日まで。
戻れない場所
【耀太】
───ガシャンッ……!
部室の中から激しい音が聞こえた。
部員は練習中のはず。
こんな時間に一体誰が……?
俺は陸上部を退部する。
明日から学校へ復帰することになっていた俺は、その前に部室のロッカーを整理しておこうと学校へやってきた。
この時間なら、誰にも部室では会わないだろうと……。
埃っぽい部室フロア。
部活開始時間は過ぎているのに、まだ人の気配のする部室に、やっぱり出直そうか、
そう思った時。
「羽鳥ッ!?」
聞こえた声に、心臓がビクッと跳ねた。
……拓弥……?
そして、なんで、まひの名前を……。
どうして部室の中で、まひの名前が……?
ゆっくりドアノブを回して中をのぞく。