きみに、好きと言える日まで。


ゆっくりドアを開けて廊下へ出る。


長い廊下を駆けて行くまひの背中を見た。


そんなまひを追うに追えずに、立ち尽くす背中も見えた。


俺はそいつの腕を掴んだ。



「…っ、よ、耀太っ!?」

「ちょっと……」



驚きの声を上げた拓弥の口を手で塞ぎ、陸部の部室へ引き入れた。



久しぶりの部室。


目に映るもの

匂い

体の一部のようにしみ込んでる。


胸が熱くなる。



「なんで耀太……ここいんだよ!」



拓弥は突然現れた俺に、相当面食らっていた。



「今日のうちにここ、整理しときたくて」



全開になった自分のロッカーに目を向ける。



見えた。


あのお守りは、俺が大会の前日に投げ入れた状態のまま置かれていた。


開ければ、誰だって目に飛び込む……。



クソッ……。

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