きみに、好きと言える日まで。
それから俺は、ハイジャンにのめり込んでいく。
『お前にはセンスがある。インターハイ。いやオリンピックだって目指せる選手になるぞ!!』
コーチにもそう言われ、すぐに頭角を表した。
ライバルなんていなかった。
鳥人の名を欲しいままにし、
跳べば跳ぶだけ記録を更新した。
周りからの注目度もハンパなかった。
中学のグラウンドには、いつもスカウトや記者が集まっていた。
高校の推薦もほぼ決まっていた時。
悪夢が襲った。
全国大会への切符を掛けた試合当日。
……まさかの怪我。
……羽なんて生えてねぇ。
……鳥なんかでもねぇ。
ただの。
……人間だったんだ。
それも、ものすごく弱い。