きみに、好きと言える日まで。


「どうしたんだっ!」



そして目を剥いて問いかける。


今はもう勢いをなくし

されるがまま動く、俺。


手にはあの日以来触れたお守り。

キツクキツク、手のひらで握り締めた。




「これ……なんだ……」



握りしめた手を、ゆっくり拓弥の前に差し出した。



「なんだ?これ」

「あの日、俺が忘れた大事なモン……」



俺の手から、拓弥の手に渡る。



「お守り……?」



そう言って、目の前にスカイブルーのお守りをぶら下げた。


シワになったそれが、拓弥の顔の前で揺れる。



「大会の前日、まひからもらったんだ……」

「……えぇっ!?じゃあ……取りに行こうとしたものって」



拓弥は息をのむ。




「………あぁ……」


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