きみに、好きと言える日まで。


赴くままに動かした足は、屋上へと続く階段を上がっていた。


今まで来たことはないけど、躊躇うことなく重いドアを開けた。


初めて踏み入る屋上。


なにもないだだっ広い空間。


すると人影を見つけた。



一番隅っこのフェンス前。


クラスメイトの広瀬さん。


物憂げな顔をして、視線の先の空を追いかけていた。



「広瀬……さん?」



気づいたら、声をかけていた。


彼女が転入してきて2週間がたとうとしている。


でも、クラスの子とお喋りしているのを見たことがなくて。


初めはチヤホヤしていた男子だったけど、一向に靡いてくれないことから高嶺の華だと気付いたのか、今ではまとわりつく人もいなくなってた。



こんな朝から、ここでなにしてるの……?

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