きみに、好きと言える日まで。


休み時間もあまり教室で見かけないと思ったら、こんなところにいたんだ。


人のことなんて気遣っている場合じゃないのに、なぜか彼女が気になった。




ビクッ。


呼びかけた肩が小さく反応した。



「なにしてるの?」



呼び声に気づいた彼女が見せたのは、いつもの凛とした表情。



「なにって……あなたこそ、何しに来たの?」



逆に振られて戸惑う。



「え?」

「今頃、クラス大賑わいじゃない?」

「…………」

「羽鳥さんなら、その中心にいると思ったけど」



今度は妖艶な笑みを浮かべてクスッと笑う。


……なんのこと?




「じゃあ、代わりに私が行くわね?」




……え?

行くって、どこへ?



ふわり。


いつもはストレートロングの髪が、巻かれていることに気付いた。


風に乗ってフルーティーな香りも漂ってくる。


いつもと明らかに印象の違う彼女。

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