きみに、好きと言える日まで。
「まひろ、もう食べないの?」
ほとんど手を付けずにごちそう様をしたあたしに、お母さんはまたしかめっ面。
「朝も食べない夜も食べない。一体学校で何をどれだけ食べてるのかしら」
呆れたように言うお母さんをよそに、お茶碗を流しへ運びその足で自分の部屋へ向かった。
ドア閉めたら一気に現実に引き戻された。
耀くんと、広瀬さん。
目を瞑ったら、耀くんの隣で微笑む彼女の顔が脳裏に鮮明に映し出された。
怖くなって目を開ける。
"耀くん"
"耀くん"
"耀くん"
呪文のように繰り返される広瀬さんの言葉。
イトコ?
幼なじみ?
……彼女……?
妄想はそこをつかず果てしない。
いつの間にか眠りについて───
チチチチチ……
鳥がさえずる朝を迎えていた。