きみに、好きと言える日まで。

「え……もう朝……」



目覚めの悪い朝。


頭が冴えるまでにも時間が掛かった。



シャワーを浴びて、学校へ行く準備をする。


いつもより時間のある朝だけど、朝ごはんだって到底食べる気は起きない。


ゆっくり制服の袖に手を通し、鏡の中の自分を見つめた。



ひどい顔……。





いつもの電車に乗り、いつもの時間に学校へ着いた。


朝練のない耀くんは、あたしが教室に入る前にすでに席についていて。


その隣には、今日も広瀬さん。



……。


入るに入れない。



入口の手前でそんなふたりを眺めていた。


昨日と同様、広瀬さんの綺麗な髪の毛は丁寧に巻かれていた。



「───でね……」



広瀬さんの少し高い笑い声が、あたしの耳にも届いてくる。


屋上で見せた、冷ややかな笑みじゃない。


モデルのような顔から作り出される笑顔は、あたしですらうっとりするくらい綺麗で、



「こら瞬っ!何よだれ垂らしてんのっ!」

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