きみに、好きと言える日まで。
通されたのは、2階にある彼女の部屋。
家の人は誰もいないみたいだ。
「ここに座って?」
ソファを指され、言われるがままに座る。
「やっぱり……迷惑じゃないかな。お家の人もいないみたいだし、留守中に勝手に上り込むなんてことして……」
座ったものの、なんか落ち着かなかった。
陸上一筋だった俺が、そもそも女の子の部屋へ入るのなんて初めてだし。
どうしていいのかわからない。
「大丈夫よ」
そう言うと、彼女はまた階段下に消えていった。
ピアノ、ソファ、仕切られた寝室空間。
県議会議員の一人娘というに相応しく、広くて豪華な部屋。
俺の部屋の倍以上はある。
部屋の内装も、彼女の見た目通りの淡い色を基調として清楚にまとめられていた。
しばらくして、紅茶とチョコレートをトレーに乗せた彼女が姿を現した。