きみに、好きと言える日まで。
体育苦手なのかな。
だとしても、さすがに体育祭の練習には出てもらわなきゃね……。
「お嬢様は汗臭くなれませんて?」
「クラスの輪を乱しすぎだっつーの!」
「調子良すぎんだよ、あの女」
そして始まる広瀬さんの悪口大会。
クラスの誰とも打ち解けないのに、耀くんにばかりベタベタしていることを女子の誰もがいい風には思ってない。
ふたりは夏に病院で出会ったと、誰かがウワサしているのを聞いた。
広瀬さんの家族が入院していて、病院へ通っている間に親交を深めたんだとか。
それは、あたしがお見舞いに行かなくなってからなんだろうな。
拓弥くんがあたしに気まずそうにしたのもそれならわかる。
どん底にいた耀くんに、手を差し伸べて励ましていたのはきっと広瀬さん。
笑顔を取り戻せたのもきっと広瀬さんの力。
耀くんが、彼女を必要としているなら。
あたしは黙って見守るしかないよね……。