きみに、好きと言える日まで。


「まひろもそう思うでしょ?」

「えっ……あ……」



クラスの子が振ってくる。


でもあたしは。


言いたくもないし、聞きたくもなかった。


できるだけ、そういう会話には混じらないようにしている。


自分の中で、広瀬さんのことを気にしたくないって想いがあったから。


聞こえない振りをして、今のうちに腕のリボンを付けようと、ジャージのポケットに手を突っ込んだけど、



「あれ?」



あるはずのリボンが入ってないのに気づいた。


着替える時に、更衣室のテーブルに置いたんだっけ……。



「どした?まひろ」

「リボン忘れちゃったみたい」

「どこに?」

「多分更衣室だと思う」

「じゃあ早く取って来な!」

「うん。行ってくるね!」



みんなはまだ、広瀬さんのウワサ話をしている。


この様子じゃあまだまだ始まらなそうだし。


ダッシュで更衣室まで取りに行くことにした。

< 251 / 372 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop