きみに、好きと言える日まで。
「まひろもそう思うでしょ?」
「えっ……あ……」
クラスの子が振ってくる。
でもあたしは。
言いたくもないし、聞きたくもなかった。
できるだけ、そういう会話には混じらないようにしている。
自分の中で、広瀬さんのことを気にしたくないって想いがあったから。
聞こえない振りをして、今のうちに腕のリボンを付けようと、ジャージのポケットに手を突っ込んだけど、
「あれ?」
あるはずのリボンが入ってないのに気づいた。
着替える時に、更衣室のテーブルに置いたんだっけ……。
「どした?まひろ」
「リボン忘れちゃったみたい」
「どこに?」
「多分更衣室だと思う」
「じゃあ早く取って来な!」
「うん。行ってくるね!」
みんなはまだ、広瀬さんのウワサ話をしている。
この様子じゃあまだまだ始まらなそうだし。
ダッシュで更衣室まで取りに行くことにした。