きみに、好きと言える日まで。


『耀太は加害者なんだよ』


『後遺症が……』



おじさんの言葉を思い出す。



それで、耀くんから目の輝きがなくなって。


ハイジャンも続けられなくなって。



あの事故の被害者って……。



「羽鳥さんは彼女なのかなって思ってたけど、違ったのね」



クスッ。


屋上で見た、嘲笑うような顔で広瀬さんが笑った。



嘘でしょ。


広瀬さん…だったの……?


側にあったテーブルに手を着く。



「最初は恨んだけど、今は違う」

「…………」

「彼が優しいから、こんな傷くらい乗り越えられる」



だから、いつも一緒にいるの?


見えなかった糸が、初めて繋がった。






「耀くんは、あたしのものだから」




辛そうな瞳で見つめられたら。




「取らないでね」




あたしには、返す言葉はみつからなかった。

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