きみに、好きと言える日まで。

俺と彼女




【耀太】




「痛々しいなー、それ」



瞬が指さして、あからさまに顔を歪めた。


これは、ハーフパンツの下からあらわになった俺の脚を見た瞬の感想。


俺の膝下には、事故の傷痕がくっきり残っている。



「あんま見んな」



平気な振りして交わすと、空気の読めない発言再び。



「入院してあんなにかわいい彼女が出来んなら、俺も一回事故ってみてーなぁ」

「瞬っ!!」

「いでっ……。あ、ジョーダン」



拓弥に蹴りを入れられた瞬は、バツが悪そうに頭を掻いた。


俺も呟く。



「……事故なんて、遭うもんじゃねーよ」



怒りを抑えて口にしたのが、よけいに怒りに満ちてたらしい。



「ほんとっ、わりぃ」



瞬にしては珍しく、しゅんとして頭を下げた。

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