きみに、好きと言える日まで。


校庭でダンスの練習をしている女子に目を向けた。


無意識に追うのは、まひの姿。


決して目立つタイプじゃないけど、俺の目には1番に飛び込むまひ。




なのに。


いない……?



どこへ行ったんだ……?


具合でも悪くて保健室とか?

華奢な体してるし、この暑さで貧血にでもなったか?


あれこれ考えていると、肩を抱かれた。



「なーに、紗衣ちゃん探してんのー」

「…………」



学習能力ゼロ。

にへーっと笑う瞬がウザい。



「ちげーし」



まとわりついたその腕を押しやった。


……体育の授業に彼女は出ない。



「お前Aグループだだろ。棒倒し始まるぞ、行けって」



拓弥がまた瞬に蹴りを入れると、



「やっべ!」



瞬は慌てて自分のグループに合流した。


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