きみに、好きと言える日まで。
「耀太、ちょっと顔かせ」
拓弥が人差し指を小さく動かす。
「ん?」
「いーから」
誘われたのは校舎の裏側。
以前、優飛がまひに遊んでもらった場所……。
授業中の今、こんなとこに来るやつは誰もいないわけで。
「なに、俺等サボっちゃうわけ?」
拓弥の突飛な行動に笑うしかなかった俺だったが、
「そんなにひどいのか?彼女の傷……」
「……っ……」
そんな笑顔もすぐに消えた。
拓弥だけが知っている事実。
俺と、広瀬さんの本当の関係を───
「羽鳥を無視してまで、彼女のそばにいてやんなきゃならないほどひどいのか?」
「…………」
黙って俺は頷いた。
「見たのか?」
「……ああ」