きみに、好きと言える日まで。
男の俺は大して気にしなくても、女の子なら気になるだろう。
体操着になれない彼女は、体育はいつも見学。
そして。
女性にとっては一番大切な胸元に、俺は大きな傷をつけてしまった。
俺の脚なんかよりももっと大きくて、深い……。
彼女の家に上がったあの日に、彼女は俺の前で上半身をあらわにした。
初めて見せられた傷。
俺は目をそむけることなく、その現実をしっかり目に映した。
将来はモデルにだってなれそうな容姿を兼ね備えた彼女を、傷物にしたのは俺。
「ここから……こういう風に……」
自分の胸元を指で辿った。
焼きついて離れない、肩から走る彼女の傷を思い浮かべながら。
「もういいよっ……」
拓弥はそんな俺の腕を掴んで止めた。
ボロボロ涙なんか流してやがる。
俺だって、泣きたい。
けど。
自分で犯した罪は罪。
誰のせいでもないんだ。
泣く資格なんて、ねえ……。