きみに、好きと言える日まで。
自分が歩んだ道を恨んだりもした。
ハイジャンさえしていなければ。
陸上を再開していなければ。
緑ヶ浜に入っていなければ。
どうしようもない後悔ばかり。
そして。
すべての後悔をたどる中で。
……お守りを取りに行かなければ……
……お守りを忘れてなんかいなければ……
…………お守りさえもらっていなければ……
一瞬でも、そんな卑劣な感情さえ抱いてしまった俺が。
一瞬でも、自分のいら立ちをまひにぶつけてしまった俺が。
もうまひに笑顔を向けることなんて……。
目を瞑ったまま歯を食いしばる。
「俺はっ……俺の運命を受け入れるしかねーんだよ……っ……」
こうやって、自由に動く時間を与えられていることさえ、贅沢なんじゃないかと今は思う。
遠くからは、棒倒しを始めたクラスメイト達のにぎやかな声が聞こえてきた。
「……行こうぜ」
俺が呟くと
拓弥は立ち上がり
「顔、洗ってくる……」
俺に背を向けた。