きみに、好きと言える日まで。
『紗衣っ、何を言ってるの!?』
『自分が何言ってるのか分かってるのか!?コイツはっ…』
広瀬さんの両親はもちろん反対し
『とんでもないですっ……』
俺や親父も慌てた。
それでも広瀬さんは自分の意思を伝えて来た。
『あなたに、一目惚れしたの』
『あなたが支えてくれたら、私、前向きに頑張れると思う』
『あなたの学校へ編入したい。こんな体じゃ、もうあの学校にはいられないから』
どういう形で責任を取ればいいのかなんてわからなかったが、
女の子の体を傷付けた俺が、一生かけて償うというのは、こういうことなのだと思った。
拒否権なんてあるわけない。
彼女が望むことを叶える。
それが誠意だ。
裁判沙汰や賠償金などが予想された中で。
この"刑"は一番軽いんだ───…