きみに、好きと言える日まで。


『紗衣っ、何を言ってるの!?』

『自分が何言ってるのか分かってるのか!?コイツはっ…』



広瀬さんの両親はもちろん反対し



『とんでもないですっ……』



俺や親父も慌てた。



それでも広瀬さんは自分の意思を伝えて来た。



『あなたに、一目惚れしたの』

『あなたが支えてくれたら、私、前向きに頑張れると思う』

『あなたの学校へ編入したい。こんな体じゃ、もうあの学校にはいられないから』



どういう形で責任を取ればいいのかなんてわからなかったが、

女の子の体を傷付けた俺が、一生かけて償うというのは、こういうことなのだと思った。



拒否権なんてあるわけない。

彼女が望むことを叶える。


それが誠意だ。



裁判沙汰や賠償金などが予想された中で。


この"刑"は一番軽いんだ───…

< 265 / 372 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop