きみに、好きと言える日まで。
───胸が、締め付けられた……。
「耀くん?一緒に帰れるよね?」
「……?あ、ああ……」
腕を掴んだ紗衣が、不安げな瞳で俺を見上げていた。
「じゃあ、お邪魔虫は退散しますのー」
「耀太、また明日な」
「おう」
「バイバイ紗衣ちゃん」
「さよなら、瞬君」
愛想よく手を振る瞬に引き換え。
「…………」
無愛想な拓弥。
誰とでもわけ隔てなく接する、拓弥の唯一の例外。
「私、拓弥くんに嫌われているみたい」
そういう割には別にめげてない紗衣。
「そんなことないよ」
「ならよかった」
嘘のフォローにクスッと笑うと、俺の腕に手を回した。