きみに、好きと言える日まで。





「あーつかれた……」



部活が終わると凛ちゃんはコートに崩れ落ちた。


本気でインハイを目指してるのか気合は十分だけど、その分バテ方も激しい。



「ごめんねー。足引っ張ってるよね……」



ダブルスでペアのあたしは肩身が狭い。


テニス3年目でも、腕前はずっと平行線だから。



「てかさ、やっぱムリだっ!!」



凛ちゃんはそう言うと、しゅんとなったあたしの横にゴロンと寝転がった。



「美月だって及ばないインハイに、あたしが行けるわけないっつーの!」

「えぇっ!?今更そんな……」



開き直った凛ちゃんに唖然……。


去年の夏以降、ずっと真面目にやって来たけど……。



現実はそんなに甘いもんじゃなくて。


緑ヶ浜レベルじゃ、エースの美月ちゃんだって県大会に出るのがやっと。




あはは。

ようやく気づいたんだね。


あたしは肩の荷が降りた。


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