きみに、好きと言える日まで。
消せない想い
【耀太】
……もう壊れそうだった。
こんなに近くにいるのにっ……。
まひが話しかけて来れない理由が分かるからこそ、俺もまひに近づくのをやめた。
季節は互いの溝を深くするだけ。
修復を求めることに何の意味があるかも分からずに、通り過ぎてく日々。
今日も俺はただ、目の前の白いバーだけを見つめる。
「耀太先輩、……バー、一段下げますか?」
後輩の声にも耳を貸さず、助走をつけた。
───ガンッ!
激しくバーに体当たりした体は、そのままバランスを崩しながらマットの上に落ちた。
「───ッ」
マットの上に寝転がって見る青。
少しも綺麗に思えない。
あの夏から、俺の空は灰色のまま。