きみに、好きと言える日まで。
「スランプ?」
突然視界が真っ暗になった。
顔にタオルが投げられたのだ。
端を引っ張って退けると、手を腰に当てた拓弥が俺を見下ろしていた。
……うるせー。
無言のまま恨めしそうに見ると、
「ほら」
手が差し伸べられた。
無言のまま掴む。
「ダメな時は何度跳んだってダメだろ?そういう時は跳ばないに限る」
小学生でも分かるような拓弥の言葉に、ますますイライラが募る。
「んなの分かってるよ」
ムシャクシャしながら拓弥に並ぶと、
「マジでインハイ行く気かな、あのふたり」
拓弥の視線はテニスコートへ……。
並々ならぬ闘志を出している紺野の横で、まひも必死についていってる。
「……どーだか……」
まひが、こっちを全く見なくなったことは知っている。
一度も視線が合わない。
俺はいつだって見ているのに。