きみに、好きと言える日まで。
「ごっ、ごめんっ!」
あたしは咄嗟に謝っていた。
「え?」
「ここ、耀くんの場所なのにっ……」
久しぶりに会話するなんて戸惑いよりも、こんなとこで会ったことが気まずくてたまらなかった。
戸惑っているあたしに、
そのシルエットがだんだん近づいてくる。
「ここはもう……
俺だけの場所じゃねーよ」
耀くんに会う可能性なんて全く考えてなくて。
ほんとに夢でも見ているかのように、ぼんやりと耀くんの行動を目で追う。
地に足がつかなくて
体はここにあるのに、気持ちはどこかへ飛んで行っているみたい。
緊張とか、それ以前の問題。
目の前で起きている現実が分からないほどだった。
「俺達の、場所だ……」
あたしの1メートル手前。
耀くんがゆっくり足を止めた。