きみに、好きと言える日まで。


「なんだ、そんなことか」

「……そんなこととはなんだよ……」



ムッとして、感傷に浸ってた糸もあっさり切れた。


この状況。

……嘘でも慰めるだろ。フツー。



「耀太って、意外と肝っ玉ちーせーのな」

「……上等」

「そんな腰抜けだったとは」

「なんだとっ……!?」



カチンと来た。


県大会で優勝したくせに、こんな無名の高校に入りやがって。

そんな拓弥に、俺の気持ちなんか分かるわけない!



「挫折したことねーお前には分かんねぇよ!実力あるくせに、女にうつつ抜かして、お気楽に陸上やってるお前には!」



やりたくたって……!



「なにカッコつけてんだよ」



……ッ───…




「耀太。

おまえ、誰の為に跳んでたんだ?」


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