きみに、好きと言える日まで。
*第7章*
止まない痛み
最近目覚めがいい。
まだ完全に忘れられたわけじゃないけど
自ら耀くんに幕を下ろしたあたしは、何かが確実に変わっていた。
早く起きれば、朝ごはんだって美味しく食べられることにも気付いた。
「今日で3日目。毎日ちゃんと朝ごはんを食べるなんて。どうかしたの?」
お母さんは目を丸くしてる。
今までは食べろ食べろってうるさかったくせに。
「いいから早くちょうだい」
「はいはい」
ベーコンエッグとフレンチトースト、それからフルーツのヨーグルト和えまでしっかり食べて家を出た。
家庭科室には、いい匂いが充満していた。
今日は調理実習があって、献立は肉じゃがにきんぴらという家庭料理の王道。
料理が苦手なあたしにはピンチな実習だけど、すごく楽しかった。
……ほとんど切ってばっかりで、肝心な味付けは同じ班の凛ちゃんたちにまかせっきりだったけど……。