きみに、好きと言える日まで。
あげてあげてあげまくると、まんざらでもないって顔してる凛ちゃんに笑いながら、洗い物の続きをする。
「あたしこれ戻してくるね!」
「おねがーい」
布巾で拭き終わったお鍋を持って、準備室へ向かった。
「羽鳥さん」
お鍋を定位置に戻そうと背伸びした時。
呼ばれた声に手が止まった。
羽鳥さん……?
クラスのほとんどの子はあたしを"まひろ"って呼ぶ。
それにこの声……。
振り向いた先には予想通り、広瀬さん。
「なにか……」
やっぱり広瀬さんの雰囲気は独特な上に、"あの秘密"を共有しているから構えちゃう。
そんなあたしをよそに、広瀬さんはツカツカと歩み寄ってきた。
え、何?
その勢いに動揺している暇もなく、
───パン……ッ!
頬に、強い痛みが走った。