きみに、好きと言える日まで。


ガシャン。

持っていたお鍋を床に落としてしまった。



広瀬さんがあたしの頬を叩いたのだ。


そこはジンジン痛み出して、頬に手を当てた。



「何かですって?何かじゃないでしょ!?」

「あ、あの……」



突然叩かれた意味が分からない。



「泥棒みたいな真似しないでよっ!」



おまけに、そんな暴言を叫ばれた。



「陰であんなことするなんてひどい。耀くんはあたしのものなのよっ!?」

「……っ」



「ちょっと何やってんのよ!」



大きな音を聞きつけてか、凛ちゃんが準備室に飛び込んで来た。


頬に手を当てたあたしを見た後、その目は鋭く広瀬さんへむけられた。



「あんた、まひろに何したの?」



多分、頬は赤くなっている。


叩かれたのも分かったはず……。

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