きみに、好きと言える日まで。
県立、緑ヶ浜(ミドリガハマ)高校。
施設の整った私立には負けるけど、部活が盛んな高校。
何部に入るかはまだ迷ってる。
そんなあたしがこんな時間まで学校にいるなんて、予定外もいいところだし。
早く帰ろう。
───と
「あ……」
靴に履き替え外に飛び出したあたしの足に、何かが当たった。
拾い上げると野球のボール。
……グラウンドからかな?
昇降口の隣側にあるグラウンドへ回れ右をして。
手のひらからボールを零したとき。
タッタッタッ……
どこからか足音が聞こえて、顔を上げた。