きみに、好きと言える日まで。
越えられない想い
【耀太】
教室の1番奥の端。
幸か不幸か、黒板を見る延長上にはまひの後ろ姿。
あれから何度か席替えはあったが、俺とまひが近くになることはなかった。
相変わらずクジ運悪いな、俺。
真面目なまひは無駄なお喋りをすることもなく、いつも熱心に授業を聞いている。
今日も、前に垂れる髪をたまに耳に掛けながら板書していた。
隣のヤツがまひに話しかける。
少し斜め上に顔を上げながら、ニコリと答えるまひの横顔が見えた。
……嫉妬する。
嫉妬する権利もないくせに……っ。
手のひらに、この間触れたまひの温もりが残ってる。
唇の感触は……
……もう忘れそうだ……。