きみに、好きと言える日まで。
復讐の果てに
【耀太】
紗衣はあのあと、目に涙を溜めたまま保健室を飛び出し……。
───放課後。
俺は部活へ出る気にもならなくて、ずっと部室にいた。
「お疲れー」
部活を終えた部員達を見送り、
気がついたらこの部屋は真っ暗だった。
学校を出たのは8時。
校門を出た時、携帯が鳴った。
「親父……?」
こんな時間に親父からの電話なんて、どうしたんだろう。
不思議に思いながらも耳に当てる。
「耀太!今どこだっ……」
切羽詰まった声に、心臓がドクンと跳ねた。
「学校出たとこだけど……」
「紗衣さんは一緒か?」
「…………?」
紗衣?
「紗衣がどうかしたのか?」
「今日は迎えを断ったらしく、まだ帰ってないらしい。こんな時間まで帰らないなんて今まで一度もなかったそうだ」
「えっ……」
昼間の出来事がちらつく。