きみに、好きと言える日まで。

俺は、紗衣のことを何も知らなかった。


紗衣の友達……そう言って、思い浮かぶヤツもいない。



咄嗟に電話を掛けたのは紺野。



『もしもーし、耀太ぁ?どうしたのー?』

「広瀬の行きそうなとこ知らないか!?」

『は!?いきなり何!?』



テンパり過ぎて、自分でも何を言っているのか良く分からなかった。



『落ち着いてちゃんと話しなさいよ。はい深呼吸して』



紺野に言われ、目を閉じて大きく息を吸った。



「実は……」



紗衣がいなくなったことを告げると



「そういえば……この間、すごい怖い顔してまひに食ってかかってた」



とんでもないことを紺野が言うから驚いた。

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