きみに、好きと言える日まで。
「……っ!?離してっ!!」
「何やってんだよ!!!!!」
手摺から身を乗り出した紗衣の体を引きずり降ろし、一緒に橋の上に転がるように倒れ込む。
「いやぁぁああ!死なせて!!!」
暴れる紗衣を俺の下に組み敷いて
「バカヤローッ!!!」
胸の中へ、紗衣を強く抱きよせた。
紗衣の体は、今にも痙攣を起こすんじゃないかってくらいガタガタ震えている。
俺はそれをしっかりと抱きとめた。
俺の胸に収まった紗衣は、どこに触れても分かるくらい激しく脈を打っている。
どれだけ震えて、どれだけの恐怖の中、あの行動に出たのか考えたら、俺も体中の震えが止まらなかった。
……そこまで追い詰めたのは、俺だから。
「怖かった……」
「…………」
「本当は、すごく怖かったの……」
「……ああ」
抱きしめながら、紗衣の腕や背中をさすった。