きみに、好きと言える日まで。


紗衣は、涙を沢山溜めた目を俺にぶつけた。



……知って……た?




「まだ耀くんのことを知る前、お見舞いに来ていた羽鳥さんを病院で何度も見かけた。屋上で楽しそうにお喋りしたりして。その時は、ただ単純にふたりが羨ましいだけだった」

「…………」

「でも、事故の相手が耀くんだって分かって……幸せそうにしてたあなた達が心の底から憎くなった。許せなかった。だから……壊したかった」

「…………」

「私ってひどいよね、最低だよね。でもね、分かっていたけどどうしようもなかったの!」

「…………」

「……やった、壊した……そう思った。

なのに……耀くんの心は今でも羽鳥さんに向いてる」



腕にしがみつくその手が、爪を立てた。



「そうでしょ!!!!」



絶句した。


まさか、そんな前から俺とまひのことを……。

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