きみに、好きと言える日まで。
凛ちゃんの勇気
「あたし、告白したの」
ひと汗流し終わった放課後のテニスコート。
壁に寄りかかって足を投げ出して座ったとき、隣で凛ちゃんの声がした。
───なにを?
無言で首を振ったあたしの目に映ったのは、いつになく真顔の凛ちゃん。
問いかけようとした言葉も、喉元でストップした。
「笑わないでね……拓弥……」
「……?」
「フラれちゃった」
「……えっと……」
凛ちゃんが、拓弥くんに……。
えっ……。
告白って……!?
凛ちゃん、拓弥くんを好きだったの……?
拓弥くんは、美月ちゃんを溺愛している。
それは誰の目にも一目瞭然。
凛ちゃんだってそれを知ってて……。
うそ……。
……どうしよう。
「でも、スッキリしたからいーんだあー」
「…………」
気の利いた言葉が見つからない自分に腹が立つ。