きみに、好きと言える日まで。


「後悔は、なにも生まないから……」

「…………」

「まひろも耀太を好きだったって気持ち、ちゃんと伝えよう?」



そして、ね……って顔だけ振る。


凛ちゃんは、耀くんと広瀬さんの間にあった悲しい出来事を知らない。



「凛ちゃん……っ……」



凛ちゃんとあたしは違うよって言おうとして、やめた。

……その目が、真っ赤だったから。


本当なら、ひっそり告白して、ひっそり恋を終わらせていたかもしれない。


つらい恋を話してくれたのも、きっとあたしのため。



そんな凛ちゃんの想いにここで「出来ない」と一蹴するなんて、出来なかった。



本当の気持ちは心の中へ閉じ込めて、



「うん……ありがとう」



"必要な嘘"で、頬笑み返した。


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