きみに、好きと言える日まで。

決断




【耀太】




俺は1週間、部活を休んでいた。


授業が終わると何をするでもなく、真っ直ぐ帰ってベッドの上でゴロゴロする。


跳べない時は跳ぶなと拓弥も言ったし、今はとてもそんな気分じゃなかった。


大会は近いが、そんなこと、関係ない。


そしてこの1週間、紗衣も学校を休んでいた。


何度電話を掛けても繋がらない。




「耀太!紗衣さんが見えたわよ!」



そんな中での母さんの声。

俺は飛び起きた。



携帯鳴ってたか……?


慌てて、放置しっぱなしの携帯を探す。


着信は、ない。



転がるように階段を駆け降りると、玄関先には1週間ぶりに見る紗衣の姿。


顔色も表情もいい。


それだけで少し安心する。

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