きみに、好きと言える日まで。


「父と母には私からちゃんと話したから心配しないで。このことは、両親は関係ないことだ……っ…

……耀くん……?」



どうしてだか分からない。

俺は、紗衣を引きよせ抱きしめていた。



「ごめん……」



こんな俺で。




これは、この数ヶ月への"ごめん"



「そんなことされたら、別れがつらくなっちゃうよ……」



紗衣の切なそうな声に



「ごめん……」



そっと肩を戻した。




これは、感情のままに抱きしめた"ごめん"



今にも顔が歪みそうな俺とは対照的に、紗衣は笑顔だった。




「最後は笑っていたいの」



……強いと思った。

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