きみに、好きと言える日まで。
「俺、紺野の前でもノロケ話してたし、だから……結構ビビった」
そりゃあビビるだろうよ。
俺だって今、鳥肌立ってる。
っていうか、まだ信じられなくて、本気で騙されてんじゃないかと拓弥の顔をガン見。
「でもさ、単純にすげー嬉しかったんだ。別に気分いいとかそんなんじゃなくて……。なんつーか……俺をそんな風に見ててくれたんだ……って」
拓弥の目はマジだった。
「あー……」
分かる気がした。
何回か告白されたことがあるが、それが誰であろうと嬉しかったから。
「紺野には悪いけど、すごい幸せな気持ちになれた」
「そうか……」
「気持ちに応えられないことが分かってて伝えてくれた紺野の勇気、見習いたい」
拓弥が手でグラスをゆっくり回し、氷が心地良い音を奏でた。
拓弥の気持ちにリンクするようなその氷を俺も見つめる。