きみに、好きと言える日まで。

「このタイミングだから、とか思うなよ?広瀬のことは抜きにして考えろ」

「知った口聞くなよ……」



俺は伝えることすら許されない男。



中途半端にキスして。

中途半端に気持ち伝えようとして。

中途半端にふられて。


カッコ悪い俺。


紗衣と別れたからって、紗衣への罪が消えたわけじゃない。


……まひもあんなに苦しめて。




そんな俺が、今更どの面下げて気持ち伝えられるっつーんだよ……。



「なにが、インハイ跳んで心おきなく卒業だ。カッコつけやがって」

「つけたってカッコ悪いし……」

「…………」

「…………」

「……耀太のばかやろう」

「……知ってる」



俺はグラスに入ったウーロン茶を、一気飲みした。


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