きみに、好きと言える日まで。


漁るように色んな本を見ていると、



───ガチャ


扉が開いて誰かが入って来た。



背後で本をパラパラめくる音が聞こえる。


何気なくチラッと横目で見ると。




「……ッ……!」




……息をのんだ。



そこにいたのは耀くんだったから。


部活の為に来たのか、でもまだ制服姿で。



と同時。

耀くんがあたしに視線を投げた。




「あ……」



そして。



「それ……」



耀くんの目線は抱えられたあたしの本に。


その目は一瞬驚いたように見えて。




あっ……。

バレちゃったかな。あたしの夢……。




気まずくて俯いたあたしに。


耀くんは優しい声で言った。




「……天職だと思う」



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