きみに、好きと言える日まで。
決意
【耀太】
ドアを閉めて、そこに背を付けた。
「ふぅ……」
軽く息を一つ吐く。
俺は、胸が熱くなるのを感じていた。
まひの進路に。
まひが幼稚園の先生を目指すのか……。
率直に感じたまま放った一言が、まひの人生に大きな影響を与えたなんて。
責任ってより、喜びだった。
まひの選んだ道に、どこかで微かな期待を拭えなくて。
まひが涙をこぼした時、咄嗟に触れようとした俺。
受け流すことも、歩幅を合わせることも。
感情だけでは動けない世の中の摂理を知った。
それでも……まひのことになると、感情のコントロールが利かなくなる。
俺の犯した罪は変わらなくても、やっぱり俺はまひが好きだ。
紗衣にあんな決断をさせたくせに、結局俺は弱い人間で、この想いを捨てきれなかったんだ……。